献体希望の檀家さん

2018年7月29日

先日、献体を希望される檀家さんが来寺されました。

献体については最近、死後「子供に迷惑をかけたくない」という理由で増加しているそうです。(医大には引き取り手のないお骨を納骨する慰霊塔がありますので、それを利用し併せて供養もしてもらうという考え)

しかし、この檀家さんは純粋に医学の発展のために献体を望まれています。以前から相談を受けていて、献体は尊い施し(布施行)ですよとお話をさせて頂いたことが後押しとなったようです。しかし、当然不安があるようで、きちんと葬儀や供養をしてもらえるのだろうか?と相談に来られたのです。

献体される方の遺体は医大に搬送されるため、その葬儀は変則的になります。遺品をご遺体として葬儀を行うこともありますし、解剖実習後に遺骨となってから戻ってきてから葬儀を行うこともあります。その際、戻るまで1〜2年かかるため一周忌や三回忌を併せて行うこともあります。結論として、葬儀や供養はしっかりと執り行います。ただ、心に留めて頂きたいのは、献体する場面になった時、遺族は慌ただしく故人との時間を過ごさなくてはなりません。生前にしっかりそのことを理解し合わなくてはなりません。

また、生前交流があった方が葬儀にきてくれるのだろうかということも心配されていました。(つまり遺品をご遺体と見立てた葬儀に来てくれる方がいるのか?また、時間が経って戻ってきてからの葬儀に参列してくれる友人はいるのだろうか?ということ。)以前、私は献体者の葬儀を執り行ったことがありますが、多くの方が参列し故人の偉業を讃えていました。そして、遺骨となって戻って来てからも改めて焼香に来てくれていたことをお話しさせて頂いたら、大変安心をされていました。

献体を考えている方の参考になればと思って、ここに書き記させていただきました。

今、「終活」が流行っているそうですが、今回、献体を希望された檀家さんのように、誰かに迷惑をかけないようにではなく、いかに自分が存在したことを人々に記憶してもらえるかを考えて終活していくべきではないかと感じました。