2月15日になると、各お寺では、涅槃図(入滅した時の様子を描いた巻物)を掲げて涅槃会を執り行います。延命寺では、2月1日〜28日まで本堂右側に掲げております。どうぞ、お参りして遺徳を偲んでいただければと存じます。
涅槃図のお釈迦様は金色で描かれています。
お釈迦様が沙羅双樹の下で休まれている時に、福貴(プックサ)という方が金色の布を捧げました。お釈迦さまはその布を体に纏って最後の説法をし、頭北面西にて入滅されました。
鍛冶屋の純陀②は、お釈迦様に茸料理を差し上げました。お釈迦様は、その食事によって激しい下痢を起こしたとされています。涅槃図の前正面にはひれ伏して泣く純陀が描かれています。
宝台の前で横たわっている方は阿難(アーナンダ)⑦といいまして、釈迦十大弟子の一人、多聞第一と称されます。悲しみのあまり気を失っているのです。そこに阿那律(アヌルッダ)⑤が鉢に入った水を阿難にかけ、助け起こそうとしています。
摩耶夫人⑥はお釈迦様の生母で、出産後七日目で亡くなりになりました。
涅槃図には、お釈迦様の入滅に天より駆けつける摩耶夫人が描かれています。
摩耶夫人を先導されている方は阿那律(アヌルッダ)④です。この方は、釈迦十大弟子の一人で天眼第一と称され、お釈迦様の従兄弟といわれています。苦行の末に失明しましたが、その代わり天眼を得ました。延命寺涅槃図には、2箇所に阿那律(アヌルッダ)が登場します。それは、阿難(アーナンダ)に水をかけているところと、天より駆けつける摩耶夫人を先導しているところです。